第2期受講生インタビュー⑧ | 京都大学ELP
京都大学エグゼクティブリーダーシッププログラム

第2期受講生インタビュー⑧

ELPs受講生Interview 2016年7月16日
通信 管理職

粟野 プログラムの中で特に印象に残った講義を教えてください。
受講生 趙亮先生の人工知能の話が面白かったですね。他のテーマにも繋がっていく話でしたので、最初の講義としても良かったです。
粟野 趙先生の講義の中でどの部分が印象に残っていますか。
受講生 講義を受ける前までは、人工知能と言っても人間が作り出したものなので、基本的にはコントロール可能であり制御できるものだろうと考えていました。将来、人工知能がディープラーニングを通じて自律的に発展するようになることで、我々の生活の利便性や効率性はどんどん向上していきますが、同時にアンコントローラブルな部分が現れてくることになります。恐らく、人間の欲望と同様に、止まることのない形で進んで行ってしまうのだろうと思います。そして最後には人間が人工知能にコントロールされる時代、究極の利便性や安全性は得られるものの、人間が自由に行動することが許されないような時代が来てしまうのではという怖い部分もありますね。
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粟野 まさに、多くの恩恵の一方で人類にとっての新たなリスクになろうとしていますよね。ELP全体を見たときにKさんが得られた学びを教えていただけますか。また、ELP受講前後で変わったことはありますでしょうか。
受講生 ELPでは、今まで関心が薄かった分野を含め、多岐に渡る分野の講義を聴くことができましたが、どの講義も非常に面白く、知的好奇心をそそられるものばかりでした。私の場合は、ほとんどが専門外の話でしたし、仕事に直接関わらない分野の話も多くありましたが、これまで培ってきた自分自身の価値観や仕事のスタイルに照らして、新しい気付きがないかと考えを巡らせながら講義を受けるようにしていました。結果として、仕事や生活に対する価値観や取組み姿勢にプラスとなる修正を加えることもできましたし、これまで感覚的には正しいと考えていたことの裏付けになるような話を伺い、自分の考えを確認することもできました。今回の受講を踏まえ、今後仕事や生活をしていく中で大事にしていきたいポリシーや自分なりのスタイルを形作っていくことはこれからの作業となりますが、その入り口として多くの気付きを得ることができたことは大きかったです。
粟野 Kさんご自身の考え方を補強できたということでしょうか。
受講生 そういう部分もあります。例えば自らを厳しい環境に置くことが自身の成長に繋がるということは若い頃からの経験で感覚的には理解していたところです。そのため、会社の若手メンバーに対しても、与えられた仕事だけではなく、新しい仕事や皆が避けたがる仕事も積極的に自分の仕事として取りに行くよう常々声をかけるようにしていました。山極先生の人類進化論や、千葉先生の癌の話、高橋先生の細胞分化の話に共通していますが、大絶滅の中あるいは厳しい環境に置かれた中でこそ、変化や進化というものが起こります。人間が成長するためには、そのようなステージに敢えて身を置く必要があります。そのことを何十億年という歴史を踏まえた話を聴く中で改めて確認することができました。
粟野 今後、ELPで経験したことを生かせるところはありますか。
受講生 ELPを通じて、新たな気付きや再確認をすることができたことが、自らの考えを修正したり確認したりするきっかけになりました。これからの仕事や生活の中で、ここで学んだことが直接役に立つかは分かりませんし、目に見える形で役に立てることは簡単ではないと思っています。「自分自身がこれから何を考えどう行動するのか」、全てはそこにかかっていると思います。ただ、ELPを通して、俯瞰的なものの見方や、長期的な視野、100年や1000年というスパンで物事を考えるきっかけが得られたことで、人間が一回り大きくなるチャンスは得られたように思います。
粟野 最後にこれからELPを受講される皆さんにメッセージをいただけますか。
受講生 ELPはまさに非日常の体験です。ある程度の期間、日常的に仕事に携わってこられた方は、どうしても経験則や固定化した考えに基づき物事を判断しがちになるように思います。そのような方にとっては、ELPを受講することで、自身の視点や目線、考え方の時間軸を見つめ直す機会が得られ、更なる成長を図る機会になると思います。とても有意義なプログラムですね。
粟野 貴重なお話ありがとうございました。修了後には思修館倶楽部の方で引き続きお付き合いいただきたいと思っております。今後ともよろしくお願いします。

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