第3期受講生インタビュー ⑥ | 京都大学ELP
京都大学エグゼクティブリーダーシッププログラム

第3期受講生インタビュー ⑥

ELPs受講生Interview

2017年11月25日 金融 管理職

粟野 プログラムの中で特に印象に残った講義を教えてください。

受講生 藤田先生の講義です。哲学とは、様々な物事の本質を捉えようとする学問であり、ある物事に対する理解が本当にそれで良いのかをその根底に向って掘り進めていくことが大切だと教わりました。また最近、年齢や立場の変化とともに、自身の物事の捉え方が一面的になりがちだと感じていましたが、この講義を通して、本来見据えるべき本質を見失っているのだということを強く認識することができました。そして、自らが自らのフレームワークの中にいることに気づくためには、異なった考え方に出会い、それと対話することが必要であるという教えを常に意識するようになりました。この講義では、哲学とは何かということより、何故哲学を学ぶべきかを教わったと思います。講義での理解を日常に活かしたいと思います。

粟野 藤田先生の講義は前期の講義ですが、後期で印象に残っている講義はありますか。

受講生 深く考えさせられたのは西田先生のAIの講義、山名先生の原子力の講義でした。両テーマとも世界的に大きく取りあげられていますが、本当に人類の将来にとって重要であり、かつ、非常に複雑な問題だと再認識しました。そして、特定の分野の人達だけで取組むには限界があり、分野を越えてチームで立ち向かうことが必要だと感じました。テクノロジーの進化により、私たちの価値観は更に急速に変化していきます。しかし、その変化によって生まれる新しい世界が、社会的弱者を含め全ての人にとって、本当の意味で豊かで幸せな世界になるのかという問題意識と倫理観を持つことが大切だと考えさせられた講義でした。

粟野 全体のプログラムを見てどのような学びや経験を得ることができましたか。

受講生 多くの学びの中から三つ挙げたいと思います。
一つ目は、普段お目にかかれないような各分野の第一人者の先生方から、専門分野のテーマだけでなく、先生方の世界観や人生観に触れる話を聴けたことです。これはとても貴重な学びになりました。
二つ目は、様々な分野の最前線で活躍している受講生と毎回熱く議論できたことです。リフレクションタイムだけでは飽き足らず、そのまま場所を変えて議論が続くこともありました。とても刺激になりましたね。
三つ目は、宮野先生の講義にあった「正しく考えることは全体における我々を、全体において決して誤ることなく力強く導く」という言葉通り、理性を働かせて正しく考えるために、自分の中の「当たり前」「常識」を磨くことが重要だと再認識できたことです。
はっきり申し上げてこのようなプログラムは他にはありません。最初はELPって何を勉強するのだろうという疑問があって「え、数学?化学?嘘やろ?」と思いました(笑)それが、受講してみると毎回の講義が面白くて、もっと早くこんな先生方に出会っていれば、私の人生は今と違ったものになっていたのではないかと思います。

粟野 ELPの学びで仕事に活かせることはありましたでしょうか。

受講生 ITの発展、人口減少問題等により、社会構造が大きく変化していく昨今、今まで経験したことがない事象に対し、それを見極め、適切に判断していかねばなりません。例えば、全く新しいビジネスモデルに対する支援には、過去のデータや事例といった経験のみでの判断は難しいですし、更に社会性等といった新たな要素も判断基準に加えなければなりません。これから私たちの金融業界を取り巻く環境も激変期を迎えます。ELPで学んだ「本質を見極める」ことを念頭において、新たな領域にチャレンジしていきたいと思います。

粟野 最後にこれから参加される方にメッセージいただけますでしょうか。

受講生 単純にビジネススキルを上げたいのであれば、ビジネススクールに行く方法もあります。ELPの講義は、個々の問題を学び議論するだけではなく、「なぜ学ぶべきなのか」から考えさせられます。どんな思想、哲学に基づいて行動すべきなのかを考えるプログラムです。物事をよく知っていたり、上手にできたりするのがリーダーではなく、方向性を示すことができる人間がリーダーです。ELPでは、方向性を間違うことなく正しく導くことができる、そんな能力を学べるところだと思っています。

粟野 これからは、モデレーターとしても講義に参加いただけます。修了後も引き続き学びを深めていただきたいと思っております。貴重なお話しありがとうございました。

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