第3期受講生インタビュー ⑪ | 京都大学ELP
京都大学エグゼクティブリーダーシッププログラム

第3期受講生インタビュー ⑪

ELP受講生Interview

2017年12月16日 行政 管理職

粟野 プログラムの中で特に印象に残った講義を教えてください。

受講生 樂吉左衛門先生の講義が印象に残りました。講義の中で、「樂茶碗はなぜ黒いのか」というお話がありました。黒はお抹茶が映える色だからという答えが一般的だと思いますが、実際は、千利休が秀吉に反発した時に、茶室や道具で自分の世界観を表現しようとして、その時に、物質としての境界を可能な限り消すために必然的にお茶碗は黒くないといけなかったことが分かりました。樂茶碗は以前から知っていましたが、そこまで深く考えたことはありませんでした。一つの芸術の中に深い思想があることは新鮮な発見でした。
また、デロッシュ先生の瞑想の講義も印象に残っています。周りの情報を遮断して考え方を整理するという先人の知恵を体験して、自分自身の気持ちのモヤモヤを整理できた気がします。瞑想を宗教色を抜いた形で再現しようとすることは、今の時代にも合っているように思います。

粟野 ELPの志望動機には芸術系の先生に興味があると書かれていましたね。

受講生 はい。池坊先生の生け花の講義、またクラシックが好きなので三枝先生のお話しも印象に残っています。

粟野 全体のプログラムについてはいかがでしょうか。

受講生 現在は、大学のプログラム自体が、理系・文系と学部ごとに綺麗に分かれています。しかし実際には、理系の問題を考える時に文系の考え方が必要であったり、文系の問題を解決する時には理系の考え方を意識しないといけません。ELPの先生方は、ご自身の専門だけでなく幅広い知識をお持ちでした。私も分野横断的に勉強していかないと思いました。その意味で各分野の一流の講師陣から講義を受けたことは新鮮で全ての講義が印象的でした。

粟野 プログラムを受けられて、お仕事でプラスになったことはありますか。

受講生 今すぐに使えるものは正直ないと思いますが、それ以上に大事なことを学びました。それは物事に対する考え方です。人間としてどう生きていくべきか、松本先生のお話にもありましたが、30年先のような長い時間軸でどう物事を考えていくのかなど、問いを立て、深く考える機会となりました。
また、文理の横断の重要性を学びました。それぞれの分野で研究されている方のこだわりを理解しなければいけないと思いました。ELPの講師ではありませんが、鷲田清一先生の言葉で印象に残っている部分があります。「自らの専門性を発揮しようと思うと、それぞれの専門家の人がどこにこだわっているかを理解しなければいけない。」リーダーとして人の前に立つ人間は、正しい判断をするために様々な領域のことを理解しようとしなければならない、そう思いました。

粟野 そういった意味では、ELPの幅広い分野に網羅したプログラムはプラスになったということでしょうか。

受講生 そうですね。まさにELPでは幅広い教養を学べるように構成されています。技術的なところより、人間の本質に関わるところを学ぶように作られているプログラムだと思います。

粟野 ありがとうございます。それではこれから参加される方へのメッセージをお願い致します。

受講生 普段の仕事ではできない経験ができたことや、何より、普段会えないような一流の講師陣や受講生の方々に会い対話ができたことが本当に良かったです。人数制限があるので多くの方に参加いただくという訳にはいかないかもしれませんが(笑)、受講するチャンスを得た方には是非ELPを通して繋がりを作っていただきたいと思います。

粟野 これからは、モデレーターとしても講義に参加いただけます。修了後も引き続き繋がりを持っていただければと思っております。貴重なお話をありがとうございました。

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