ワインという飲み物
ワインビジネスの現状とブドウ・ワイン研究

2022.4.9.Sat. 17:10-18:10

京都大学 名誉教授

小田滋晃

講義の概要と目的

数千年の歴史を有するワインは、世界的に見て元々は地場生産地場消費が基本で、「水」が希少資源であり地力が弱い乾燥地域において「飲料水」を代替する「発酵して1年間腐らずに飲めるブドウジュース」であったといえます。その意味でワインビジネスは、基本的に農業をベースにしたビジネスといえます。当講義は、ブドウ・ワイン研究の最前線を概観してもらいながら、フランスを中心としたワイン銘醸地や日本のワイン産地の位置や各地域を含むブドウ・ワインの特徴をまず理解してもらう。その上で、ワイナリー経営やワインツーリズムを含むワインビジネスの妙味やあり様を講義を通じて理解してもらう。

この研究が世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか

ワインは世界の多くの国における食文化に欠かせない飲み物であり、日本も例外ではない。ワイン造りは農業そのものであり、地域循環や地産地消の重要性が指摘されている現在において、まさに農業の縮図そのものといえ、食文化の深化と共に人と人を結び付ける飲み物としての重要性が益々大きくなっている。ワイン産業は一般的に多くの中小ワイナリーを含む典型的な地域産業クラスターを形成し、ブドウ栽培関連産業やワイン醸造関連産業のみならず、酒という法的規制下の中で行政機関や認証機関等の関連団体、大学・研究機関に加え、食品産業クラスターやワインツーリズムを含む観光産業クラスターとも連携する大きな経済的広がりを持っており、世界の各地における地域経済に対して大きな影響力を持っている。

講師プロフィール

1978年3月:京都大学農学部卒業、1980年3月:京都大学大学院農学研究科修士課程修了、1989年1月:京都大学農学博士の学位取得、1984年7月:大阪府立大学農学部助手、1991年1月:京都大学農学部講師、1994年同助教授、2004年4月:同教授、2020年3月:定年退職、京都大学名誉教授、2020年4月:(公財)ルイ・パストゥール医学研究センター・医農食情報環境連携研究室・主任研究員、現在に至る。農業生産の現場に軸足を置きつつ、農業や農業関連産業に関わる「ヒト、モノ、農地、カネ、情報」の関係やあり様を、「健康」・「食」・「環境」との連携や地域循環システムを重視し、ワイナリーマネージメントやワインビジネスを含むアグリ・フード産業クラスター、農商工の連携や六次産業化をキーワードに、京都大学での研究を継続し、その研究から得た知見を通して日本各地の自治体や農業協同組合と共に日本における農業支援活動を実践している。

Day12022.2.4 Fri.
人類にとっての食

Day22022.2.5 Sat.
食の安全保障 食と農のテクノロジー1

Day32022.2.12 Sat.
食と農のテクノロジー2

Day42022.2.13 Sun.
食と農の未来

Day52022.4.9 Sat.

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