人工知能が人類の脅威となるか

智慧に対する思考を通して人工智能研究の先のことを考えてみよう

趙 亮 ZHAO Liang
京都大学大学院総合生存学館(思修館)准教授

講義概要

人工知能がこの世界を根本から変えようとしている。オセロ、チェス、クイズ、将棋、そして囲碁まで、人工知能が次々と人間に挑戦し勝ってきた。さらにあらゆる面において人間より優れる、いわゆる強人工知能が、あと数十年で出現するのではないかと言われるようになった。それが人類にとって救世主となるか脅威となるか。この質問に巡ってさまざまな議論が行われているが、この講義では、わたしが考えている智慧と人工智慧の研究から、賢いこととはなにか、人工知能が本当に賢くなれるか、それが人類への意味など、現在にある人工知能の研究よりもう少し先のことを考え、世界最新の動向を参考しながら人類と人工知能の未来を描いてみる。

世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか

単一の仕事において人間より優れる人工知能が次々に現れてきているが、それは単に計算能力が高いだけなのかそれとも本質的に人間より賢いことなのか。これを考えながら、総合的に人間より優れる人工知能の実現方法を考えてきた。その際に、人工知能が人類の脅威にもなりうることに気づいた。すなわち、すでに何人かの方が指摘しているように、それは単なる失業のことではなく、人間が人工知能を制御できるかということにある。本研究は、わたしの智慧への思考から、本当に人間より賢い人工知能の実現や人間の存在意義に疑問を投げ、この世界が人類にとって望ましい方向に行くために人間の根本的価値や人工知能研究の方向性等について考える。

講師プロフィール

経歴

1995 年中国清華大学応用数学系卒( 計算機科学技術系第二学位)。同年9月来日し、日本語別科(龍谷大学)と研究生(京都大学大学院工学研究科)を経て、1997年4月から1999 年3月まで京都大学大学院工学研究科数理工学専攻修士課程、1999 年4月から2002年3月まで同大情報学研究科数理工学専攻博士課程。博士( 情報学)。2002年4月から2006 年3月まで宇都宮大学工学部情報工学科助教。2006 年4月から2014 年3月まで京都大学情報学研究科講師。2014 年4月より現職。2013 年3月から2014 年2月までドイツカールスルーエ工科大学(KIT)訪問。専門は情報学基礎、組合最適化、アルゴリズム、ネットワーク分析、近年人工知能も。アカデミック研究のほか、留学生リーダーシップ育成、フリーソフトウェアの作成や教育活動等に参加。