本当に賢い人工知能への思考

情報乱雑さの視点から生命を考える

趙 亮 ZHAO Liang
京都大学大学院総合生存学館(思修館)准教授

講義概要

人工知能(Artificial Intelligence, AI)が我々を根本から変えようとしている。囲碁やゲーム、自動運転、医薬、生産、教育、自動応答など単一タスク用のAIはもちろん、将来あらゆる面で人間を超える汎用AIも到来するかもしれないと予想される。AIが人類にとって救世主となるか脅威となるか。さまざまな議論が行われているなか、この講義では、情報乱雑さ(情報エントロピー)の概念を用いて、まず生命の本質を考察し、続いてなぜフィックションが人類生存の秘訣か、賢いこと(智慧)とはなにか、AIがどう賢くなるか(賢い人工知能をどう作るか)、そして人類の未来にとっての意味を、先人たちの思考を踏まえながら考える。

世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか

AIは、単に計算能力が高いだけか、それとも本質的に人間より賢い(賢くなる可能性がある)のか。後者であれば、すでに指摘されているように、失業だけのことではなく、人間がAIを制御できるかという、人類の生存と絶滅に関して、自然災害よりもリスクの高い危機であろう。本研究は、生命の本質、智慧の定義、認知・学習とはなにか、なぜホモ・サピエンスが地球を支配できたか、なぜ我々はいつも本質を求めようとするのか、本当に人間より賢い人工知能の実現、未来の社会などについて、定量的に説明しようとしている。

講師プロフィール

経歴

1995年中国清華大学応用数学系卒業、計算機科学技術系とのダブル学士学位。同年来日し、龍谷大学日本語別科と京都大学大学院工学研究科研究生を経て、1999年京都大学大学院工学研究科数理工学専攻修士、2002年同大情報学研究科数理工学専攻博士課程修了、博士(情報学)。2002年から2006年まで宇都宮大学工学部情報工学科助教、2006年から2014年まで京都大学情報学研究科講師、2014年4月より現職。2013年3月から2014年2月までドイツ・カールスルーエ工科大学(KIT)訪問。専門は情報学、特に最適化やアルゴリズム、ネットワーク分析、人工知能など。近年、生命や智慧、未来社会を思考している。アカデミック研究のほか、リーダー育成(思修館プログラム、アジア未来リーダー育成プログラムAFLSP、ELP)、フリーソフトウェア普及や教育活動、作成に参加。