高齢社会をどう老いるか
沖縄一人暮らし老年者の老いから考える

2025.2.14.Fri. 14:15-17:00

南山大学
人類学研究所プロジェクト
研究員 菅沼文乃

講義の概要と目的

老いは人間に普遍的な現象であり、生物学的な事実です。人々は、年齢を重ねる様々な時点において、自分が「老いた」ことを自覚し、老いを身体に取り込んでいきます。この老いには、社会のなかで様々な意味づけがなされます。「衰えていく」のようなネガティブなものから、「生の集大成」のようなポジティブなものなど、その様相は多面的です。近年、最も社会的関心を集めている老いの意味付けは、社会高齢化に関連するものでしょう。高齢化が進む現代日本社会では、老いは社会的に対応を迫られる課題の一つになっています。それでは、その中で、個々人は老いをどう生きているのでしょうか。本講義では、現代日本社会からみた老いの様相について概観したあと、沖縄都市部を事例とする調査研究の結果から、個々人が生き、営むものとしての老いという視点を紹介します。

この研究が世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか

本講義で取り上げる沖縄の老いといえば、「長寿社会」「元気なお年寄り」というイメージで語られがちです。ところは実際にはそれだけでない、個別の、多様な老いのありかたが存在します。本講義は、老いという人の営みに普遍的な事象をテーマとしつつ、これを生きる人々の個別の老いを文化人類学的フィールドワークの成果からとりあげることによって、さまざまな老いる営みをとらえることを目指します。また沖縄社会に限らず、現代社会の老いに対する国際的・多文化的な議論への応用を期待しています。

講師プロフィール

経歴
愛知県出身、南山大学人文学部卒業、南山大学大学院人間文化研究科修了。博士(人類学)。2025年より現職。専門は文化人類学・老年者研究。沖縄都市部の老年者を中心として生活実践、福祉や高齢者支援サービス、取り組みに関心をもち沖縄、奄美、東海地方でフィールドワークを行う。著書『<老い>の営みの人類学:沖縄都市部の老年者たち』(森話社、2017年)、『生き方としてのフィールドワーク かくも面倒で面白い文化人類学の世界』中尾世治、 杉下かおり編著(東海大学出版部、2020年)など

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