生命科学と倫理
科学技術の倫理的・法的・社会的課題の検討

2024.2.16.Fri. 9:30-12:10

京都大学大学院文学研究科
教授 児玉聡

講義の概要と目的

科学技術の発展は私たちの生活や社会を大きく変えてきました。生命科学の発展がもたらす多様な問題を扱う生命倫理学においても、新しい科学技術によって次々と新たな問題が生み出されています。たとえば遺伝子編集技術によって人間の受精卵の遺伝子を操作できるようになり、また幹細胞研究の応用により、生殖細胞の作製や、研究室で培養肉の作製が可能になりつつあります。人々の生活に影響を与える新たな科学技術の倫理的・法的・社会的課題(ELSI)について、オープンかつ学際的な対話の場を設けることがこれまで以上に重要となっています。講義では生命科学と倫理の関係について、過去と現状を確認しつつ、そのあるべき姿を検討します。

この研究が世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか

倫理というと科学研究にブレーキをかけるものと捉える人もいるかもしれないが、必ずしもそうではありません。むしろ、私たちの社会のあるべき姿を描き、それに向けてどういう課題があるのか、またどういう法政策が必要かを科学者たちと一緒に考えることも倫理学の役割です。学際的な研究領域である生命倫理学および今日ますますの拡がりを見せている科学技術の倫理的・法的・社会的課題(ELSI)の研究は、今後の社会の課題を把握し、それを解決する道筋を見出す一助になるはずです。

講師プロフィール

経歴
1974年大阪府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学。博士(文学)。
東京大学大学院医学系研究科専任講師等を経て、現在、京都大学大学院文学研究科教授。専門は英米倫理思想と生命倫理学。主な著書に『予防の倫理学』(ミネルヴァ書房、2023年)、『オックスフォード哲学者奇行』(明石書店、2022年)、『COVID-19の倫理学』(ナカニシヤ出版、2022年)、『実践・倫理学』(勁草書房、2020年)、『正義論』(共著、法律文化社、2019年)、『入門・倫理学』(共編、勁草書房、2018年)、『マンガで学ぶ生命倫理』(化学同人、2013年)、『功利主義入門』(筑摩書房、2012年)、『功利と直観』(勁草書房、2010年、日本倫理学会和辻賞受賞)など。

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科学技術と倫理 / ダイバーシティ

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倫理のこれから

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