テクノロジーを倫理学する
新興技術がもたらすリスクにどう向きあうか

2024.2.9.Fri. 10:50-13:30

京都大学大学院
地球環境学堂
教授 宇佐美誠

講義の概要と目的

 私たちはテクノロジーの時代に生きている。生成AI・自動運転車・自律型兵器から分子生物学やナノテクノロジーにいたるまで、さまざまな技術が急速に開発され、実用化されつつある。これらの新興技術の一部は、若干の既存技術とともに、人類全体に大惨事が生じるリスクをともなう。また、新興技術はおしなべて、私たちの暮らしや仕事に大きな影響を与え、そのなかには脆弱な人々がいっそう不利となるリスクも含まれる。この講義では、テクノロジーがもたらしうる人類全体へのリスクと脆弱層へのリスクにどのように向きあうべきかについて、倫理学やその隣接領域の知的資源を活用しつつ、ともに考えてみたい。

この研究が世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか

 日本では、倫理は〈べからず集〉だとしばしば受け止められている。だが、これは正しくない。倫理とは、正しい行為と不正な行為、善い行為と悪い行為に関する諸原理を広くさす。その諸原理を考察するのが、倫理学である。そして、「エシックス」の語源が「エートス」であることから分かるように、倫理には個人レベルだけでなく社会レベルもある。
 今日、テクノロジーは私たちの生活に広く浸透し、しかも加速度的に進歩している。このような時代に、テクノロジーが人類全体や各社会の脆弱層にもたらすリスクについて、国際社会および各社会での正しい対処や善い対処をさぐる倫理学的検討は、人類をより持続可能にすると同時に、社会のあり方をより公正なものにすることに役立つだろう。

講師プロフィール

経歴
1989 年名古屋大学法学部卒業、1991年同大学大学院法学研究科博士課程(前期)修了。1996 年博士( 法学)(名古屋大学)。1991年名古屋大学法学部助手、1993 年中京大学法学部専任講師、1996年助教授、2002年教授、2004 年東京工業大学大学院社会理工学研究科助教授、2008 年教授を経て、2013 年より現職。高知工科大学客員教授を兼任。1997~1999 年にハーバード大学哲学部客員研究員。日本公共政策学会元副会長・理事。日本法哲学会理事、法と経済学会常務理事、日本学術会議連携会員。専門は法哲学・政治哲学。
著書として、『公共的決定としての法』木鐸社(1993 年)、『決定』東京大学出版会(2000 年)、『世代間関係から考える公共性』東京大学出版会(2006 年 共編著)、『法学と経済学のあいだ』勁草書房(2010 年 編著)、『ドゥオーキン』勁草書房(2011年 共編著)、『法思想史の新たな水脈』昭和堂(2013 年 共編著)、『グローバルな正義』勁草書房(2014年 編著)、『法哲学』有斐閣(2014 年 共著)、『気候正義』勁草書房(2019 年 編著)、『正義論』法律文化社(2019年 共著)、『AIで変わる法と社会』岩波書店(2020年 編著)、『気候崩壊』岩波書店(2021年)、Governance for a Sustainable Future, Springer (2023, co-editor) など。

Day12024.2.9 Fri.
倫理を学問するとは

Day22024.2.10 Sat.
科学技術と倫理

Day32024.2.16 Fri.
科学技術と倫理 / ダイバーシティ

Day42024.2.17 Sat.
倫理のこれから

お申し込みはこちら

お申し込みは下記ページのエントリーフォームよりお願いいたします。

お申し込みはこちら

初めての方でもお気軽にお問い合わせください

お問い合わせはこちら

Tel. 075-753-5158

受付時間:平日 9:00〜17:00



Mail. info@elp.kyoto-u.ac.jp