「ごみ」は意外に雄弁だ。

ごみを通して暮らしや社会を見つめる

浅利 美鈴 ASARI Misuzu
京都大学大学院地球環境学堂 准教授

講義概要

人という人、世の中の誰もが出すと言っても過言ではないのが「ごみ」です。講義に参加される皆様も、多かれ少なかれ、日々出されているはずです。少し目を向けて頂ければ、そして、耳を傾けて頂ければ、その不思議や悩み、矛盾や葛藤から、目を離せなくなるでしょう。
そう、何と言っても「ごみ」とは、人間の価値観による産物だからです。人、場所、時代・・・様々な要因で変わる「ごみ」の世界に、ご一緒して頂けませんか?ごみは、可能性にもあふれています。この匂い、吸引力、人が生み出す生々しさ・・・それだけではありません。実は、脱炭素社会の実現に向けた切り札でもあるのです。

世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか

持続可能な社会の構築に向けては、資源循環システムの構築が必須であり、「ごみ」の3R(リデュース・リユース・リサイクル)が行動指針となります。私の所属する研究チームでは、40年以上に渡って家庭ごみ等の組成調査を実施しており、様々な資源循環関連の施策立案の基礎情報を提供してきました。最近は、持続可能な開発目標(SDGs)においても取り上げられている食品ロスや、プラスチックごみ問題などに注目が集まり、解決に向けた研究が急がれています。今後は、脱炭素・炭素中立も念頭においた製品作りや資源循環、サーキュラーエコノミーの構築に向けて、実践も伴う研究展開が求められています。

講師プロフィール

経歴

京都大学大学院工学研究科卒。博士(工学)。京都大学環境科学センター助教を経て京都大学地球環境学堂准教授。
「ごみ」が一つの大きな研究テーマ。ごみから見た社会や暮らしのあり方を提案する。また、ごみや3Rの知識を身につけ、行動してもらうことを狙いに、毎年11月に「3R・低炭素社会検定」を実施。「環境教育」や「大学の環境管理」も研究テーマで、京都大学をフィールドに、全員参加型のエコキャンパス化を目指す「エコ~るど京大」や「京都大学超SDGs研究ライトユニット」なども展開。また、ライフワークとして市民への啓発・教育活動にも力を注ぎ、百貨店を会場とした「びっくり!エコ100選」を8年実施。その後の展開として、資源エネルギー問題にアクションを起こす「びっくりエコ発電所」「びっくりエコ研究所」を運営。2019年から「京都超SDGsコンソーシアム」を立ち上げ、地域やフィールドでの実践活動を展開している。2021年には「京都里山SDGsラボ(ことす)」をオープン。