人権思想とキリスト教 | 京都大学ELP
京都大学エグゼクティブリーダーシッププログラム

人権思想とキリスト教

現代日本において人権思想の意味を問い直す

芦名 定道 ASHINA Sadamichi
関西学院大学神学部 教授

講義概要

人権思想は「近代」の思想的遺産であり、1948年に国連で採択された「世界人権宣言」(「人類社会のすべての構成員の固有の尊厳と平等で譲ることのできない権利とを承認すること…」)からもわかるように、現代世界において広く共有されている。しかし、ポスト近代とも言われる現代の思想状況においては、「近代」の徹底的な問い直しが求められているのと同様に、人権思想も根本的な問い直しを必要としている。
本講義では、人権思想の問い直しについて、現代日本の状況を念頭にキリスト教(近代の人権思想の源泉の一つ)との関連から論じてみたい。これによって、欧米諸国に比べ人権思想の具体化において立ち後れているという現代日本の状況が改めて問題化するであろう。

世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか

「人権」をめぐる問題(たとえば、LGBTQ+など多元的社会におけるマイノリティの人権、さらに人間以外の生命の生存権)について議論を深めることよって、現代世界が直面しているさまざまな行き詰まりに対して、重要な示唆を得ることが期待できる。とくに、現代日本においては女性や子どもという人権としては基本的とも言うべき事柄について解決すべき問題が存在しており、近代的な民主主義の確立のためにも、人権思想の深化が必要である。

講師プロフィール

経歴

1956年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程(キリスト教学)単位取得退学。京都大学博士(文学)。京都大学大学院文学研究科助教授(キリスト教学担当)。現在は、関西学院大学神学部教授。

著書

『自然神学再考 近代世界とキリスト教』(晃洋書房 2007年)『近代日本とキリスト教思想の可能性 二つの地平が交わるところにて』(三恵社 2016年)など。

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