金融の経済学

経済学者が見る金融市場

原 千秋 HARA Chiaki
京都大学経済研究所 教授

講義概要

金融市場は、効率的にリスクを配分したり、資金の融通したりする場である。株価や金利は、すべて、価格という一般的概念の特殊形であり、金融商品の需給を決める経済環境の指標である。

しかし、金融市場というと、株価の変動が大きいとか、金利上昇局面が続くなどといった、値動きの側面のみが強調されるきらいがある。本講義では、金融市場が実需を正しく反映するということの意味を明らかにし、経済全体の中で持つ役割を論ずる。

世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか

金融市場を切り離して企業経営を考えることはできないが、それをカジノのごとく捉えるのは誤りである。その本来の役割は、生産活動に必要な資金を融通し、企業や家計が直面するリスクを配分することにある。
この役割を正しく理解し、金融市場に振り回されず、かつ、それを悪用するような経営戦略をとらないことが、経営者には求められる。この研究のねらいは、経済学者が金融市場の本来の機能と問題点を明らかにすることで、経営者がとるべき行動を提案し、健全な金融市場の発展に貢献することである。

講師プロフィール

経歴

1987年一橋大学経済学部卒業。1993年米国Harvard UniversityにてPh.D.(経済学)取得。同年英国University College Londonにて専任講師。1994年ベルギーUniversite Catholique de Louvainにて研究員。1995年英国University of Cambridgeにて専任講師。神戸大学経済経営研究所助教授、一橋大学経済研究所助教授を経て、2004年より京都大学経済研究所助教授。2007年より同教授。ミクロ経済理論の手法を証券市場の分析に応用して、投資家の異質性が資産価格に及ぼす影響などを研究している。