古代文明は何故滅んだのか

紀元前1千年紀の大変動

泉 拓良 IZUMI Takura
京都大学 名誉教授

講義概要

過去2年間は、人類の歴史の中で、ホモ・サピエンス(現生人類)の出現がいかに画期的であったかを講義した。それは環境と、それに応じて形態を進化(変化)させた遺伝子の支配した世界からの決別であった。ホモ・サピエンスはアフリカを出て、其れまでに一部の地域に広がっていた古い形質の人類を駆逐し、数万年のうちに地球全体に広がった。新旧両大陸に分かれた人類は、それぞれの環境に彼らの生み出した「文化」を適応させることによって、多様性を獲得して閑居変動に打ち勝ち、その中で成功した一定の子孫達は、世界各地によく似文明を形成した。しかしそのような古代文明は、旧大陸においては紀元前1千年紀に一斉に崩壊し、混乱の時代に突入する。此の混乱期に、新しい文明への萌芽、救済宗教の出現があり、大きな転換が図られる。この紀元前1千年紀の大変動を人類史に位置づける講義をしたい。

世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか

過去2年間は、現生人類のもつ生物学的普遍性と、文化・文明の普遍的な部分を強調してきた。一連の講義の最終年として、現代文明の多様性が生まれてくる紀元前1千年の大混乱期=大変革期の実態を明らかにし、紀元前1千年紀を人類史における重要なエポックという新しい視点を提供する。

講師プロフィール

経歴

1976~1984年京都大学文学部助手。1984~1985年奈良大学文学部講師。1985~1993年奈良大学文学部助教授。1993~2004年奈良大学文学部教授。2004~2013年京都大学大学院文学研究科教授。2013年京都大学大学院総合生存学館(思修館)教授。2018年4月から現職。

著書

著書に『 縄文土器出現』( 編著 ) 講談社 1996 年、『 縄文世界の一万年』( 共編著 ) 集英社 1999 年『、 日本の時代史 倭国誕生』 ( 共著 ) 吉川弘文館 2002 年、『 考古学-その方法と現状-』( 共編著 ) 放送大学教育振興会 2009 年、『 講座◎日本の考古学3・ 4 縄文時代上・下』青木書店 2013・2014 年など。