人工知能とそのインパクト | 京都大学ELP
京都大学エグゼクティブリーダーシッププログラム

人工知能とそのインパクト

人工知能とは何か、その技術の考え方とインパクトを議論する

金出 武雄 KANADE Takeo
カーネギーメロン大学 ワイタカー記念全学教授
京都大学高等研究院 招聘特別教授

講義概要

AIあるいは人工知能という言葉を聞かない日はないと言っていいほどのこの頃である。その可能性・実用性は一般にかなり理解されてきたものの、その技術的内容については深層学習・生成AI ・シンギュラリティと言う言葉からの想像を超えない理解、その社会的インパクトについては懐疑論から極端な恐怖論までセンセーショナルな議論も時に見受けられる。このあたりについて、講義とディスカッションと、かつ講師の研究生活から得た発想法を通じて、科学工学的により正確な理解と本質的な議論とを目指したい。

世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか

人工知能は、「ひとが一般に知能的と呼ぶ能力」を人工的に、現在では主にコンピュータによって実現しようとする科学工学の分野である。いくつかの領域ではすでに、人と同様、時には人以上の能力を持つものが現れている。その社会的インパクトは大きい。新しい機能や産業が人の生活を豊かにし、人の能力自体もその助けを借りて進み、これまで難しかった多くの問題の解決につながると思われる。一方、現在の多くの職業はAIによって置き換わる可能性は明らかであるし、人工知能が創造も含め人を超えたときには「人とは何か」という根源的な問い(一意的な回答はないだろうが)を発していると考えられる。

講師プロフィール

経歴

人工知能、ロボット、計算機視覚の研究者。1993年京都大学で博士号・助教授の後、1980年カーネギーメロン大学に移籍し、同大学ロボット研究所Directorなど歴任。400以上の論文と120,000回以上の参照数により、h-indexと呼ばれる論文インパクト指標において計算機科学分野TOP10(2020)に入る。主な研究成果は、世界最初の顔画像認識、MPEGなど動画像処理における最も基本的なアルゴリズムLucas-Kanade法,自動運転による初のアメリカ大陸横断(1995),第35回スーパーボウルでのロボットカメラによる360度の視野回転のプレー再生システム(2001)など。京都賞、フランクリン財団バウアー賞、米国計算機学会/人工知能学会アレン・ニューウェル賞 、米国電気電子学会創始者メダル、スペインBBVA財団知識のフロンティア賞など。文化功労者、日本学士院会員。

  • Document request

    プログラムの受講に関するお問い合わせ、
    資料請求はお気軽にご連絡ください。

  • Mail magazine

    最新情報のお知らせや無料イベントのご案内をしております。ご興味のある方は是非、ご登録ください。

  • Contact

    ご相談やご質問など、お気軽にお問い合わせください。