異文化理解こそが次世代社会の条件

グローバル化のなかの多様性と文化の役割を考える

ウスビ サコ Oussouby SACKO
京都精華大学 学長

講義概要

グローバル化が急速に進むなかで、かつての文化的規範や国民国家という枠組みは揺らぎ始めています。これまでの共同体は解体され、個が中心となる社会が形成されます。いわゆる「ジャパンスタンダード」や「ジャパンシステム」が崩れ、物事の価値判断は一国のルールや政策では決めにくくなります。グローバル化によって変化した社会基盤は個を大切にし、個々人は因襲的な束縛から解放されます。そこでは、人種、性別、宗教、性的指向、社会経済的背景、および民族性などを超えて、個と個が互いの違いを認め合うことが重要になります。異文化を受け入れることが苦手な日本人にとっては、あらたな、そして大きな不安となることでしょう。本講義では、グローバル化する社会の中で人間はどう生きるべきか、多様性と文化の役割について考えます。

世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか

多様なバックグラウンドや属性を持つ人々が違いを受容し合うことがグローバル化される社会で生きる条件となります。世界中の人びとが集まるなかでは、多様性を大切にする必要があります。本講義と研修を通して、多様な文化と価値観を受容するとともに自己の文化を見つめ直し、そして新しい文化と社会を創造する力を身につけてもらいます。いつの時代にも世界にはさまざまな問題があふれていますが、わたしたちには明るい未来を作り上げるために、世界の多様性を知ることと異文化を理解する必要があります。特に、「個々が自分の立ち位置」をしっかり決め、「ブレない軸」を持つことが次世代の社会の中で生きる条件となります。本講義で獲得できる「知識」は、個々の受講生がこれから生きていくうえで大きな力となることを確信しています。

講師プロフィール

経歴

1966年マリ共和国に生まれる。 高校卒業と同時に国の奨学金を得て中国に留学。北京語言学院 (現・北京語言大学)、 南京市の東南大学等に6年間滞在して建築学を実践的に学ぶ。1990年東京で短期のホームステイを経験し、アフリカに共通するような下町の文化に驚く。
1991年3月に来日し、同年9月から京都大学大学院で建築計画を学ぶ。博士号取得後も日本学術振興会特別研究員として京都大学に残り、2001年に京都精華大学人文学部教員に着任。2013年には学部長。2018年4月から現職。現在の専門は空間人類学。

著書

『知のリテラシー・文化』ナカニシヤ出版(2007年)など。