ヒトの始まり、心の始まりを科学する
赤ちゃんの心の発達、社会性の起源を解説する

2020.2.20.Thu. 13:40-16:50

同志社大学教授 板倉昭二

講義の概要と目的

本講義では、ヒトの始まりである赤ちゃんの心の発達について考えることを目的とする。特に、その社会性の発達に関する研究や、演者の提唱するロボットなどのヒト以外のエージェントを用いたDevelopmental Cybernetics(子どもとヒト以外のエージェントとの融合に関する研究)に関する研究を紹介し、赤ちゃんの発達の理解を深める。具体的には、1)赤ちゃん研究の方法、2)赤ちゃんの社会性、特にヒトの発する生物学的特性に対する感受性、3)ヒト以外のエージェントの知覚、4)赤ちゃんの向社会行動(他者に利益をもたらすような行動)の達について解説する。

この研究が世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか

われわれは、発達科学、小児科学を始め、脳科学、霊長類学、胎児学、ロボット工学、保育学等の異分野領域から、赤ちゃんの多様な心に、多様な科学的な方法でアプローチする『赤ちゃん学』を標榜する。赤ちゃんをよりよく知ることにより、科学をよりどころにして、子どもがよりよく育つ環境を整えるための知見を得たり、保育や養育の質自体を整えることが可能になることが期待される。また、Developmental Cyberneticsの進展により、近年、ロボット工学や人工知能(AI)、バーチャルリアリティによって大人の世界ばかりか、子どもの生活環境さえも変わろうとしている現状に対応できることが期待される。

講師プロフィール

経歴
同志社大学 赤ちゃん学研究センター センター長/専任フェロー(教授) 京都大学名誉教授 中国・浙江師範大学、浙江理工大学 イタリア・ミラノカトリック大学 客員教授、日本赤ちゃん学会常任理事 1959年 大分県生まれ。専門は発達科学、進化発達心理学、Developmental Cybernetics。1989年 京都大学大学院理学研究科霊長類学専攻 修了。京都大学理学博士。1989年~1991年 日本学術振興会特別研究員(PD)、この間、米国ニュージャージ医科歯科大学ロバートウッドジョンソン校児童発達研究所留学後、大分県立芸術文化短期大学、米国エモリ―大学ヤーキース霊長類センター研究員、大分県立看護科学大学を経て、2000年より、京都大学大学院文学研究科助教授、2006年より同准教授、2010年、同教授となる。2019年3月 京都大学を早期退職し、現職となる。

Day22020.2.20 Thu.
心とは何か

Day32020.2.21 Fri.
脳の認知科学

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