デジタルゲームの人工知能
デジタルゲームに用いられる人工知能全般を説明する。

2019.1.30.Wed. 17:00-18:30

日本デジタルゲーム学会理事 三宅陽一郎

講義の概要と目的

デジタルゲームは、リアルタイムで、インタラクティブに反応する、身体を持つキャラクターの知能を作成します。またゲーム全体をコントールするメタAI、変化し続ける地形環境を解析するナビゲーションAI、この三者のAIが協調して動作します。また最近では、ゲーム開発を補助する存在としての人工知能があります。アセットを自動生成し、デバッグを自動的にしてくれます。

またデジタルゲームの人工知能は哲学と深い関わりがあります。それはキャラクターの人工知能が身体を持ち、感覚を持ち、知能を持つという人間に近い人工知能全体を作ろうとする試みであり、その基礎となる知能とは何か、生命とは何か、という問いをくり返し問い続ける分野であるからです。

この研究が世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか

デジタルゲームはエンターテインメントにおける人工知能であり、人間を楽しませるための知能です。そのため、デジタルゲームの人工知能は人間の心を理解し、人間を予測し、人間の代わりのプレイヤーキャラクターの身体動作に合わせて、自らの身体運動を作り出します。デジタルゲームは、身体までを含めた人工知能全般に渡る巨大で精緻な実験場でもあり、この仮想空間を通じて、人工知能は加速的に進化し深化します。また、その人工知能の発展は必然的に、人工知能の基礎全般を見直す契機にもなり、人間と何か、人工知能とは何か、という哲学的基礎を再構築する機会を与えてくれます。

講師プロフィール

京都大学で数学を専攻、大阪大学(物理学修士)、東京大学工学系研究科博士課程を経て、2004年よりデジタルゲームにおける人工知能の開発・研究に従事。国際ゲーム開発者協会日本ゲームAI専門部会設立(チェア)、日本デジタルゲーム学会 理事、芸術科学会理事、人工知能学会編集委員。共著『デジタルゲームの教科書』『デジタルゲームの技術』『絵でわかる人工知能』(SBCr) 『高校生のための ゲームで考える人工知能』『ゲーム情報学概論』(コロナ社) 、著書『人工知能のための哲学塾』 『人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇』 (BNN新社)、『人工知能の作り方』(技術評論社)。翻訳監修『ゲームプログラマのためのC++』『C++のためのAPIデザイン』(SBCr)、監修『最強囲碁AI アルファ碁 解体新書』(翔泳社)。

Day32019.2.1 Fri.
量子コンピューター

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