社会〜会話〜AI
AIに媒介されたコミュニケーション

2019.1.30.Wed. 14:10-16:50

京都大学大学院教授 西田豊明

講義の概要と目的

いまや研究室の壁を越えて、社会に広く浸透しつつあるAI(人工知能)の研究開発の歴史、原理、ビジョンについて、学生時代からAI研究に取り組んできた立場から主体的に講述する。

前半では、AIの根底にある考え方が、計算基盤の指数的発展に伴い、どのように変わってきたか、そのなかでどのような取り組みがなされてきたかを俯瞰したうえで、現在のAIが社会に与える影響、AIの研究開発と利活用を人類にメリットのあるものにするための諸活動、および今後の可能性について議論する。

後半では、人間および人間社会とAIのよりよいコミュニケーションと共有基盤の構築を目指した会話情報学の取り組みに焦点を当てる。そもそも人は会話の中でどのようなアクティビティをしているのか、その分析とモデリングの手法、AIと周辺技術について紹介する。

この研究が世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか

この講義で第一に取り上げる研究当事者としてのAIの歴史と現状認識に関わる話題は、AIを内面から理解する助けとなる。聴講者はAIの研究開発に長年従事して初めてわかるAIの限界と可能性を理解して、人間社会がAIのもたらすベネフィットを最大限に享受できるようにするための今後の活動を策定するときの基礎となるだろう。

第二の話題は、人間どうしあるいは人間とAIのコミュニケーションに関するものであり、社会という観点から人とAIの関りを構築し、発展させるための最も基本的な話題である。

AIと周辺技術を使って、会話とその奥にある共有基盤(common ground)の構築と発展をどのように拡張できるか、可能性を実感することで、これからの人とAIの混成社会をデザインするヒントを得ることができる。

講師プロフィール

1980年京都大学工学部助手、1988年京都大学工学部助教授、1993年奈良先端科学技術大学院大学教授、1999年東京大学大学院工学系研究科教授、2001年東京大学大学院情報理工学系研究科教授を経て、2004年4月京都大学大学院情報学研究科教授、現在に至る。情報学、とくに人工知能の研究教育に従事。日本学術会議連携会員(2006年~)、人工知能学会会長(2010~2011年度)、情報処理学会フェロー、電子情報通信学会フェロー、日本学術振興会学術システム研究センター主任研究員(2010~2012年度)。AI & Society誌Associate Editor、総務省「AIネットワーク社会推進会議」構成員(2016年~)、理化学研究所・革新知能統合研究センター(AIP)・「人とAIのコミュニケーション」チームリーダー(2017年~)。

Day32019.2.1 Fri.
量子コンピューター

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