第7期受講生インタビュー〈4〉 | 京都大学ELP
京都大学エグゼクティブリーダーシッププログラム

第7期受講生インタビュー〈4〉

2022年7月16日

メーカー 本部長

 

粟野 特に印象に残った講義を教えていただけますか。

受講生 上原麻有子先生の哲学の講義が印象に残っています。私は出身大学が理系で、論理的に考えることが得意なので、そうでないものは避ける傾向がありました。そもそも「哲学」という言葉は知っていましたが、それがどんなものかも知らなかったですし、学んだこともありませんでした。「京都学派」という言葉も初めて知って一生懸命調べたくらいです。こんなふうに知らないものを知ることができたという点で、印象深い講義でした。講義そのものは難解でしたが、特に「行為的直感」という言葉が印象に残っています。物の見方ということでしょうか。私は営業なので対応とかサービスとかそういうものは意識していましたが、行き来するそのものに価値があるというか、「モノ」が動いているのではなくてそれぞれで価値の交換をしあっているというところに気づきがあり、印象深かった内容です。

ELP受講生インタビュー

粟野 ELP前期の全体の印象はいかがでしょうか。

受講生 率直に楽しかったですね。さきほどの哲学と通ずることなのですが、宗教とか哲学、文学、芸術など、文系・理系という枠組みがあるために、これまで触れる機会がなかった分野を学ぶことができて非常にいい機会をいただけたと思っています。一度社会で働き始めると自分から学ぶのは難しいですから。

そんな中で、全く関係のない学問と思っていた文系の学問が、理系の学問の一番大事な根っこの部分にあることに気づきました。ただ論理的だったら良いわけではなく、より伝わるためには文系的な思考や知識が重要なのだと思います。ELPでの学びを通じて、自分にはないスペックが手に入ったような感覚です。

粟野 ご自身のお仕事にどのように生かすことができますか?

受講生 どんな学問も芸術も、突き詰めることの重要性は共通していて、それは非常に大きな学びになりましたし、ビジネスに通じるものだと思います。そこで大きな違いを感じたのは思考の長さです。ビジネスでは3年、5年、長くても10年くらい先の将来しか考えておらず、そこにゴールを設定してバックキャストして物事を進めます。しかし、ELPでは、30年、50年、100年先のことを考えて研究している先生方の思考に触れられたことが新鮮でした。会社も社会に貢献し続けてゆく中で、長生きしないといけないと思います。その時に30年とか50年先の会社の在り方を見ているからこそ、この先の3年、5年があるのかなと思います。会社の経営の一端を担う立場として、近視眼的な見方ではなく、会社が長く存続して、社会にどのように貢献するかということをより深く考えるところに活かしたいと思います。

自分と相手の「あいだ」が重要だということも様々な講義で共通する部分でした。人と人で言うとコミュニケーションという簡単な言葉になってしまうのですが、コミュニケーションの質は今後重要になってくるのかなと思います。今までは論理的に伝えれば伝わると思っていましたが、文系的な学問を学んだことで、より心打つようなコミュニケーションを取ることができると思いますので、組織の運営にも、若手の育成にも役立てていきたいと考えています。

粟野 最後に、これからELPに参加される方にメッセージをお願いします。

受講生 未知の分野のエッセンスを凝縮したものが短期間でプログラムされています。浅く広くかなとイメージされる方もいるかもしれませんが、そうではありません。本当に役立つ研修だということをご検討されている方には伝えたいと思います。

また、異業種の方々とコミュニケーションするということが非常に刺激的です。組織にいると同じような方向を向いた人としか話さないので、大体同じ答えが導き出されます。しかし、ELPでは、全然異なる答えや発想を聞けたことは非常に刺激的でもあり視野が広がりました。次の時代を生きるためにいい場所に原点を置けた気がしましたので、新しいことにチャレンジする前や、何か変えたいと思った時に、このプログラムを受けていただくと良いと思います。自己の再点検、といった感覚です。

粟野 どうもありがとうございました。

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