ゲノム編集技術の養殖への活用
ゲノム編集技術による水産業改革の可能性

2022.4.9.Sat. 9:30-12:10

京都大学大学院農学研究科 准教授

木下政人

講義の概要と目的

目的:これまでの育種方法とゲノム編集育種方法との相違点を理解し、ゲノム編集育種の利活用と可能性について理解を深める。
講義の概要:ゲノム・遺伝子が何なのかを説明し、新品種を作製する育種とはゲノムを改変することであることを説明する。ゲノム編集とはどういう技術なのかを分かりやすく説明した後に、従来の育種方法とゲノム編集育種の相違点を示す。水産物の育種の必要性の説明し、ゲノム編集技術で作出された「肉厚マダイ」の特徴を概説する。ゲノム編集を活用することで養殖業の新たな形態を提案する。

この研究が世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか

これまでの漁業は、「獲る漁業」が中心で、農作物のような育種が行われてこなかったため、ほとんどの海産物は「原種」である。近年の乱獲による天然資源の枯渇や食糧(特にタンパク質)不足が問題となっている。この問題を解決するには、効率的で持続的な魚介類の養殖が重要であるが、「原種」の魚は人工的な「養殖」環境に適応していない。効率的な養殖を可能にする養殖に適した品種の作出が必須であるが、従来の品種作製方法である「選抜育種」は、偶然を頼りにした長期間を必要とするものである。本技術を用いることで短期間に計画的に優れた養殖魚品種が作出できるため、上記の問題に早急に対応できる。また、養殖業の形態大きく変える可能性がある。

講師プロフィール

1991年 京都大学大学院農学研究科水産学専攻 博士後期課程 修了
京都大学農学博士

【現在の専門】
魚類発生工学

【受賞歴】
1997年 日本水産学会奨励賞
2002年 Marine Biotechnology誌 論文賞
2005年 日本水産学会論文賞
2021年 科学技術振興機構大学発ベンチャー表彰 経済産業大臣賞
2021年 内閣府日本オープンイノベーション大賞(内閣府)農林水産大臣賞

工作や生き物を育てることが好きで、生物の仕組みを科学的に理解し、活用することに楽しみを見出している。また、その活動を通じて多くの人を幸せにできれば良いと考えている。
趣味は、サッカー。滋賀県出身。

Day12022.2.4 Fri.
人類にとっての食

Day22022.2.5 Sat.
食の安全保障 食と農のテクノロジー1

Day32022.2.12 Sat.
食と農のテクノロジー2

Day42022.2.13 Sun.
食と農の未来

Day52022.4.9 Sat.

お申し込みはこちら

お申し込みは下記ページのエントリーフォームよりお願いいたします。

お申し込みはこちら

初めての方でもお気軽にお問い合わせください

お問い合わせはこちら

Tel. 075-753-5158

受付時間:平日 9:00〜17:00



Mail. info@elp.kyoto-u.ac.jp